ヴィト
57歳
180㎝あるかないかぐらい?
元帝国軍兵士。内戦後、帝国軍の訓練教官。退役後、フリーの傭兵になる。
戦場を求めて格安で傭兵業を行っていました。ジャンナトに雇われ、戦場以上の修羅場を経験した後、傭兵稼業から足を洗いソリチュードで隠遁します。
~ヴィトの回顧録~
ジャン一行との旅で、我輩の心はバッキバキにヘシ折れた。
この依頼が斯様に厳しいものとは思わなかった。死にそうになること数百回。あまりの恐怖に涙する事も一度や二度では済まなかった。
軍にいた頃は、殺しても死なないなどと揶揄され体力には些か自信があった。二十数年、戦場という極限状態を経験した我輩の心身は、かのスカイフォージで鍛え上げた鋼鉄の如くであった・・・
しかし、ジャン、ライエ、アララ。彼女達は一体なんなのだ?いずれも女性だ。全てにおいて、我輩を超越している。驚くべき事だ。
戦闘技術に卓越したライエは、間違いなくスカイリムで一ニを争う剣士だろう。
アララは、恐ろしく肝の据わった女性だ。また、話術に置いては並みの弁士では歯が立つまい。我輩も何度言い負かされた事か・・・
戦闘も中々のものだ。ドゥーマーの技術で作ったとされる銃を巧みに操っていた。
最後に、ジャン。彼女は平素はのほほんとしているが、いざ戦闘にはいると鬼神の如しであった。剣、魔法、何れも達人の腕前。
何故、我輩を雇ったのかはわからない。アセンデッドという連中は我輩の予想を遥かに上回る敵であったが、彼女ら三人だけで難なく討伐できたであろう。
仕事が終わった時、何の役にも立てず慙愧の念に苦しんだが、彼女達は三者三様の心からの感謝の言葉をかけてくれた。面映い思いだった。
我輩はこれを機に傭兵稼業を辞する事にした。
この旅で我輩は全く貢献できなかった。気づかぬうちに体力気力共に衰えていたのやもしれぬ。依頼主に迷惑をかけるのは本意ではない。
今はソリチュードに戻り、後進の育成をしている。近所の娘、ラケルが剣を習いたがっていたから教えている。中々、筋のいい子だ。彼女も鍛えれば、ジャン達のような性別を越えた強さを手に入れられるのだろうか?
なんにせよ、老後の楽しみができた。ラケルは自慢の弟子といっても差し支えない。
ジャン達と再会する機会があれば、是非とも引き合わせたいものだ。
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